茶道でお湯の沸き加減を湯相(ゆあい)と言うそうだ。
茶道をやっておられる方ならばもうご存知のことなのだろうか
私はその五段階の湯相の表現を知って日本語の美しさと茶道の奥深さをひしひしと感じたので皆様と共有したいと思う。
興味深いのは「蟹眼(かいがん)=湯がわきはじめた時に出る小さな泡」という意味ですよね?こちら、茶道に精通した方はご存知かもしれませんが、茶道における湯のわき具合「湯相(ゆあい)」を、繊細な五段階に分けて説いたうちの、一段階を表現した言葉です。
<茶道用語:『湯相』の段階>
1:蚯音(きゅうおん)…湯がわく直前の、蚯蚓(みみず)が這うようなかすかな音。
2:蟹眼(かいがん)…湯がわき始め、小さな泡がたちはじめる段階。
3:連珠(れんじゅ)…小さな泡が連なってたちのぼる段階。
4:魚目(ぎょもく)…大きな泡がたつ段階。
5:松風(しょうふう)…窯に、シュンシュンと松の間を吹き抜ける風のような音がする段階。湯の温度は70℃台。
この「松風」の状態が、お茶をたてるのに最適な段階とされ、これを過ぎると湯が沸きすぎて「無音」の状態になる、とされています。「湯相」の表現については千利休も用いた、という説が散見されます。また、8~9世紀の中国の漢詩にも、すでにこうした「湯相」の表現が登場しているようです。
細やかさと詩的な表現に、単純にお茶を入れるのとは全く別に練り上げられた「茶道」という文化の重みを感じますね。
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茶道